ゴミに埋もれ死亡のケースも「中高年の引きこもり」に懸念
ゴミ屋敷化につながるセルフネグレクト
昨今メディアで注目されるゴミ屋敷。ゴミ屋敷につながるケースとして注目されるのが高齢化した親と“ひきこもり”の子が50代を迎えた「8050問題」だ。
’19年3月に行われた内閣府の報告によると、全国に61万3,000人いると推計される40~64歳のひきこもり。彼らの暮らしを支えるのはその親だが、本人とともに親の高齢化も進む。
11月25日にNHKで放送された『ひきこもり死「8050問題」の“最終局面”どう命を守るのか』では、56歳のひきこもり男性のケースが紹介された。両親の死後、彼は貯蓄を取り崩して暮らしていたが、ガスや水道は止まっていた。そんな彼の元に、しばしば自治体の職員が訪れるものの、彼は支援の手を拒み続ける。やがて訪問時に顔も見せなくなり、心配した職員と警察が家に踏み込んでみると、家中のゴミに埋もれて亡くなっていたのだ。
「世話をしてくれる家族が亡くなると、引きこもりの子は社会的に孤立します。その結果ゴミ出しもままならず、ゴミ屋敷へとつながるケースもあるのです」
そう語るのは、『ルポゴミ屋敷に棲む人々』の著者で、公衆衛生看護学の専門家の岸恵美子東邦大学大学院(看護学研究科)