サボテンの心を持つ人へ「孤立から抜け出す方法」(JINSEIのスパイス!第102回)
綺麗ごとをいう社会も、お世辞ばかりいう社会も、悪口ばかりいう社会も、リスペクトのない社会も、僕にとっては息苦しかった。まさに、砂漠の中で棘を生やしたサボテンだったのです。
離婚をした直後、僕は世の中にフルボッコにされました。そして、子どもを育てながら、必死で生きました。そんな生活が丸7年も続いています。いま振り返ると、当初は明らかに孤立していました。ただ、僕の場合は幼い息子がいたので、自殺とか逃避はできませんでした。そんな辛い日々を送っていた最中に、僕は思わず自分の歌に励まされることになるのです。
掃除をしていたら、古いCDが出てきて、何気なくかけてみたら……。自分が書いた「棘を生やしているサボテンの心」のフレーズが刺さりました。
棘を生やせば変な連中が近づいてくることもないですが、同時にその棘のせいでいい人たちも近づいてこなくなります。どんどん、孤立していくんです。そこである日、歌詞に書いてあるように、「サボテンの心に花を咲かせてみよう」と思い立ちます。「そうだ、孤独と孤立は違うぞ」と気づきました。孤独はいいけど、孤立はダメなんです。孤立は周囲の声に耳をふさいでいる状態。
孤独はむやみに人と群れずに自分を大事にしている状態です。