2021年1月25日 11:00
初の女性の米副大統領誕生“ガラスの天井”破った母の教え
(写真:アフロ)
アメリカの女性やマイノリティには分厚い“ガラスの天井”があるという。どんなに優秀でもぶち破れない壁がある、と。
「誰もなし遂げていないことなら、なぜ挑戦しないの?」そう言い、次々とその天井を破ってきたカマラ・ハリス氏(56・以下敬称略)。女性初の“アメリカ副大統領”だ。
カマラに絶大な影響を与えたのは、母だった。科学者の母は、子どもたちが質問しても、すぐに答えを出さず、いつも姉妹をこう諭した。
「鍵は、あなたの仮説です。これが実践や実験で証明されるのよ」
母の故郷・インドにも子どものころから訪れていた。
母方の祖父は、47年、現在のパキスタンからインドへ亡命。インドの独立を求めて戦った人だ。その後、インド政府高官となった祖父は、故郷を追われた経験を生かし、アフリカ・ザンビアの難民問題解決に当たっている。祖母は、インドの貧困地域に暮らす人々に避妊などの性教育を行い、格差対策に取り組んだ。
常に弱者の視点から、政治や人権を考えるカマラの資質は、祖父母の代から、母を介して継承されてきたものだったのだ。
カマラは母についてこう話す。
「マミーは153cmの小さな体でありながら、一度話せば、2m以上に見えるような人だった」