元祖“人を傷つけない笑い”は欽ちゃんからだった!専門家が分析
「当時、人気のあった『オレたちひょうきん族』(’81〜’89年・フジテレビ系)の笑いはきわどく、毒があり、いまのコンプライアンスに照らすと、アウトなものも多くありました。でも、欽ちゃんの笑いは人を傷つけません。先日、(渡辺直美に豚に見立てた衣装を着せたら、と提案して)反感を買った東京五輪の演出案などとは真逆で、容姿を笑いものにすることもありません。だから、欽ちゃんの番組は、親が子どもに安心して見せることができたのです」
それゆえ、欽ちゃんファミリーの一員だった高部知子が、写真週刊誌にベッドでたばこをくわえた写真を掲載されたときは、視聴者も大きなショックを受けた。
「『欽どこ』ではコメディドラマ仕立てで、ほんわかしたファミリー像を描いていた欽ちゃん。ちょっとドジな子どもたちを、欽ちゃん演じるお父さんが叱ると、真屋順子さんが演じるお母さんがまあまあとやさしくいさめるーー。アメリカナイズされたバブル期に向かい始める時代のなかで、昭和的な落ち着ける家族像が求められた面もあるでしょう」
牛窪さんは『欽ドン!』が放送されていた、月曜夜9時という時間帯にも注目している。
「ワクワクの土、日を過ごし、月曜の夜は“あと4日も5日も仕事や学校があるのか”と、心身ともにうんざりするとき。