2021年5月15日 06:00
「先生助けて…」兵庫の病床逼迫で町のクリニックに患者殺到
昨日なんてあまりにも人が多すぎて、通行人に怒られました。
うちは町のクリニックですが、朝から晩まで電話が鳴りやまない状態です。またコロナの診断だけでなく、自宅療養中の患者さんへの往診もしています。
だから、スタッフのなかには精神的に追い詰められている人も出てきています。彼らのフォローをしてあげるのも私の役割なのですが、私自身が泣きたい気持ちですね。もうずっと休む暇もなく、常に気を張っています」
■涙を流しながら「先生、助けてください…」
取材中も患者からの電話が鳴り響き、対応に追われていた。それでも診療を続ける理由について、長尾さんはこう語る。
「熱があって苦しいのに、保健所のスタッフにも救急隊にもかかりつけのお医者さんにも受け入れを拒否されている。
そんな引き取り手のない人たちが増えています。彼らが、私に涙を流しながら言うんです。『先生、何とかしてください。助けてください』と。そうしたら、もう診ざるをえないじゃないですか……」
これまで最前線でコロナと闘い続けてきた長尾さんは、今後の必要なことについて語る。
「私は“地域包括ケア”で立ち向かうべきだと主張してきました。
コロナで重要なのは“早期診断”と“早期治療”です。