コロナ現場看護師の怒り「五輪出動は看護師の使命に反する」
しかし、五輪に派遣されれば、救えるはずの命が失われてしまう可能性がある。間に立たされて、よけいにつらいのではないでしょうか」
さらにこう続ける。
「五輪が開催されることになれば、関係者から陽性者が出るという前提でベッド空けておくよう組織委員会から都立病院に対して要請が来るはずです。実際、昨年11月に東京で体操の国際競技会が開かれたときは、〈陽性者が出たら絶対に断らないで入院させること〉という通知が東京都から病院に来ていました。たとえ大阪のようにひっ迫していてもベッドを空けなくてはならない。そうなると、救えるはずの都民の命が救えません」
毎日多数の死亡者が出ている大阪府の病院で働く看護師のCさんも、つらい胸中を明かした。
「毎日、コロナに感染した患者さんが救急搬送されてきます。しかし、受け入れられないことも多くて申し訳ない気持ちでいっぱいです。
空いているベッドはありますが、医療従事者が足りないから受け入れられない。現場は五輪どころじゃない。命を優先してほしい」
医療現場を支えるスタッフたちの怒りを無視してまで、五輪を開催する必要はあるのだろうか。
「女性自身」2021年6月1日号 掲載