UFOに心霊写真…未知への憧れが生んだ80年代オカルトブーム
その言葉どおり、’70年代に入ると、ユリ・ゲラーのスプーン曲げを代表とする超能力、口裂け女やネッシー、ツチノコの目撃談など数々のブームが起こり、コンテンツも細分化されていく。
「現代ではデジタル技術を使って、心霊写真など容易に加工できますが、当時は紙焼き写真。一般の人が合成するのは難しく、より一層、信憑性が高く感じられました。修学旅行などで日光の華厳の滝の前で記念撮影した際は、写真に“何か”が写り込んでいないか、探した人も多いはずです」
’80年代には宜保愛子さんが登場し、「ノストラダムスの大予言」の関連本も飛ぶように売れた。だが、“地球が滅亡する”と予言された「一九九九の年、七の月」を過ぎると、ブームも下火に。
「一連のオウム真理教の事件などの影響もあり、当時すでに大手メディアでは、現実社会を否定するようなオカルト番組を扱いづらくなっていた側面もあるでしょう」
’00年代に入ると、『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(’05〜’09年・テレビ朝日系)などで、オカルトとは似て非なる“スピリチュアル”が注目された。
「かつて霊は“呪い”のようなマイナスのイメージでしたが、スピリチュアルでは“守護霊”など、プラスに捉えられることも多いのが特徴のひとつでしょう。