くらし情報『「患者を治し切るのは無理…」訪問診療医を絶望させた自宅療養の実情』

「患者を治し切るのは無理…」訪問診療医を絶望させた自宅療養の実情

“この国の無策のせいで……”という悔しさを感じる方が多いようで、心の整理が難しいようです」

自宅療養者の増加に伴い需要が高まる訪問診療だが、このまま感染者が増えれば、訪問診療にも限界が来てしまう可能性がある。

「もう絶対的にマンパワーが足りないです。まず医者。そして訪問してくれる看護師。そして酸素も、薬を届ける薬局も足りません」(田代院長)

感染者が増えるなかで、田代院長は自身のコロナ禍に対する捉え方が、日々変化しているという。

「本来だったら入院すべき中等症患者を“家で診る”という現状に、少し前までは“病院で治療できないなら俺が治療する”なんて思っていました。でもいま思うと僕のおごりでしたね。いまは“こんな災害現場では、縁のあった患者でも僕らが治し切るというのは無理だ”と思っています。
保健所から“在宅で深刻な状況の人がいるから診に行って”と言われて治療を始めるだけ。その後の経過観察は、保健所に戻さないともう無理なんです」

とにかく私たちにできることは、感染しないよう自分の身を守ることだ。誰にも命を諦めさせないために――。

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