2021年8月20日 15:50
宮本亞門 エンタメ界の危機でも上を向かせる“亡き父の金言”
「歌や踊りには希望を与える役目がある」と語る宮本亞門さん
今年6月、父を天国へ見送った宮本亞門さん。ときに衝突しながらも、折に触れて人生との向き合い方を教えてくれたのが父だった。希代の演出家の心にいまも宿るメッセージとはーー。
「人生を一つの“舞台”だとするならば、『親父の役の人生を見事に演じきったね!』とたたえてあげたい。僕にとって彼は誇りです」
そう語るのは、演出家の宮本亞門さん(63)。今年6月24日に、94歳の父・亮祐さんを天国へと見送った。遺言のとおり、葬儀は身内だけで行ったというーー。
亞門さんは、’87年に演出家デビュー。
’04年にブロードウエーで演出を手がけた『太平洋序曲』がトニー賞にノミネートされるなど、演出家として国内外で活躍の場を広げていった。
時はたち、亞門さんは自らの生命の危機に直面することになる。
’19年、テレビ番組の企画で、亞門さんの前立腺がんが判明したのだ。
「帰宅した夜は、恐怖と不安で眠れず、ブラックホールに吸い込まれるような孤独を味わいました。幸いがんはステージ3の最初で、全摘をすれば回復するとのことでした。早期発見がどれだけ大事かを痛感しました。