2021年9月9日 11:00
続々検出される変異株…抗体カクテル療法の効果への影響も
前出の上さんは、こうした“ウイルスの進化”によって、ワクチンの効果が弱まったり、複数回にわたって感染してしまうリスクが高まることを懸念する。
「従来型のコロナウイルスにはファイザー製のワクチンによる予防率が95%もあったところ、デルタ株に対しては約40%にとどまると発表している研究もあります。現状では重症化や死に至るケースを抑制するワクチン効果はありますが、新たな変異株や、既存の変異株のさらなる変異によって、その効果が発揮できなくなる可能性もあるのです」
■高度の耐性がある株が国内で広がる可能性も
さらに変異株は、日本でも軽症・中等症の患者を対象に実施が進められている「抗体カクテル療法」の効果にも影を落としかねないという。
「オランダとデンマークで、ミンクからヒトに感染したといわれるY453F変異の特徴は、抗体カクテル療法に高度の耐性があることです。この変異が入った株が、国内で広がる可能性も否定できません」(上さん)
こうした変異株の出現を抑制するには、何より感染者の数を減らすことが大前提だ。
「感染者を増やさないために必要なのは、徹底した検査とワクチンの両輪での対処です。