2021年10月10日 06:00
すぎやまこういちさん “天職”『ドラクエ』に出会うまでの華麗なキャリア
人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽で知られる作曲家・すぎやまこういちさんが9月30日、敗血症性ショックのため亡くなった。90歳だった。
すぎやまさんがライフワークとして取り組んだ『ドラゴンクエスト』の作曲は1986年、すぎやまさんが55歳の時に始まった。その前はラジオ局ディレクター、テレビ局ディレクター、グループサウンズの作曲家などキャリアは多岐に渡る。
ラジオ局の文化放送に入社したのは1954年。高校3年生の時に初めて作曲した「子供のためのバレエ『迷子の青虫さん』」が評価され、入社が決まった。
その後、開局準備中だったフジテレビに入社。
《放送局に入ったのは、「音楽学校に入ると高い授業料を払って勉強。
でも、放送局に入れば現場で音楽を学びながらお給料が貰えるから、良い仕事だな」って思ったからなんです(笑)》(JASRAC会員作家インタビュー)
黎明期のテレビ業界への転身をこう語っていたというすぎやまさん。さらに同じインタビューでは、こうも話していた。
《音楽学校に入って学ぶのは理論や技術であって、音楽を創る上で一番大切な「感受性」は習って身につくものではないですね》
音大へは通わず独学で音楽を学んだすぎやまさんは、テレビの現場で実践的に音楽を学んだ。