2021年10月10日 06:00
すぎやまこういちさん “天職”『ドラクエ』に出会うまでの華麗なキャリア
ディレクターとして手がけた音楽番組『ザ・ヒットパレード』では、“生放送”の価値にこだわった。イギリスの有名歌手が“口パク”で出演しようとした際には、『ゲット・アウト(出て行け)』と怒鳴った。ついた異名は“独裁者”。音楽への愛があったからこそ、妥協できなかったという。
1960年代に入ると、ディレクター業の傍らで作曲家としても精力的に活動。ジュリーこと沢田研二(73)がボーカルを務める『ザ・タイガース』のデビュー曲『僕のマリー』など、グループサウンズのブームを支えた。
「すぎやまさんはザ・タイガースの『花の首飾り』やザ・ピーナッツの『恋のフーガ』、ヴィレッジ・シンガーズの『亜麻色の髪の乙女』などのB面楽曲も数多く手がけました。
宣伝費をかけてプロモーションをするA面と違って、B面はプロモーションを行いません。
そのためB面の楽曲は普通、なかなか注目されない。ですが、すぎやまさんが作曲したB面の楽曲はヒットソングばかりです。プロモートをしていない曲でも聴き手を魅了できるというのは、それだけ魅力のある曲だったということ。B面のヒットは自信になったと、すぎやまさんは話していました」(音楽関係者)