2021年11月8日 06:00
イランで視聴率90%超…世界の心に届いた『おしん』のすごさ
「『おしん』により『“日本人の心”を忘れずにいたい』という気持ちが湧いた人も多かったと思います。もとよりメーンの視聴者である親や祖父母は実際に貧しさを経験した世代。結果、全世代の心に響いたのではないでしょうか」
造語『オシンドローム』は、第1回新語・流行語大賞の金賞に輝いた。
日本にとどまらず、全世界で放送された『おしん』。イラン・イラク戦争下にあったイランの国営放送での視聴率は、なんと90%を超えていたのでは、といわれている。
「おしんの青年期を演じた田中裕子さんは“ジャパンビューティ”を象徴する一人とも言われ、海外での人気も高かったそうです。同じく朝ドラの『マー姉ちゃん』(’79年)では、主役の妹に当たる長谷川町子さん役を明るいキャラクターで演じましたが、『おしん』では対照的に、人生の辛酸がにじみ出るような役柄に挑戦しました」
そして、強烈な個性を放っていたのが母親役の泉ピン子。
「『テレビ三面記事ウィークエンダー』(’75~’84年・日本テレビ系)での番組リポートなどバラエティ色が強かったピン子さんですが、圧倒的な演技力を見せました」
役者を光らせたのは、原作・脚本を手がけた橋田壽賀子さん。