2021年12月22日 18:11
神田沙也加さん 演劇賞では万感の涙も…苦しみながら切り開いた“自分だけの経歴”
「やっと、誰かから決められたわけでもない“自分で選んだ大好きな道”を少しだけ誇ることができるような気がしています」
目に涙を浮かべ、時折、声を詰まらせながら、事前に用意してきたメモを読み上げていた神田沙也加さん(享年35)。2018年4月に行われた「第四十三回 菊田一夫演劇賞」の授賞式でのことだ。
同賞は、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した演出家や俳優、スタッフを表彰するもの。’17年の上演されたミュージカル『キューティ・ブロンド』での主演が認められての受賞だった。のちのインタビューでこのときのことを沙也加さんはこう話している。
《初めて『よくできました』のハンコをいただいた。うれしかったし、この賞に恥じるわけにはいかない》(2021年5月24日付「スポーツ報知」)
16歳のときに映画『ドラゴンヘッド』で本格的に女優デビューした沙也加さんが、“自分の選んだ大好きな道”と語った舞台、ミュージカルの道に足を踏み入れたのは2004年のことだ。
「宮本亜門さん演出のミュージカル『イントゥ・ザ・ウッズ』で舞台初出演。
SAYAKA名義でデビューしてから3年目で、沙也加さんは17歳。オーディションを経て手に入れた役でしたが、初めてなだけに不安でいっぱいだったようです」