2021年12月28日 06:00
知らないで使っている謎ワード「生産性」って何? どう計算するの?
■ずっと低かった日本の生産性
じつは、データが取得可能な1970年以降、日本の生産性はG7でずっと最下位だったという。ということは、日本が一躍先進国に躍り出た高度成長期や、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”とまでいわれた80年代のバブル期ですら、生産性が低かったということになるが……。
「残念ながら、そうなんです。日本企業は終身雇用制で正社員の解雇は難しく、余剰人員はずっと多かった。一方、欧米はそれと比較して3分の2ほどの人数で生産してきました。しかも、バブルが崩壊した90年代以降、ほかの先進国との生産性の差が拡大しています。各国では企業が積極的に経営システムを変え、先端技術であるITツールを“われ先”に導入しました。ところが、日本だけがIT革命に乗り遅れてしまった」
その背景には日本の経営者の“サラリーマン意識”があるという。
「欧米の経営者の報酬は、多くは業績変動型のため、経営者の判断でITを導入して利益が2倍にでもなれば、経営者自身の報酬もグンと上がるわけです。しかし、日本の上場企業の経営者は軒並み年功序列型で、3、4年後には後輩に地位を禅譲します。そのため、短い任期中、冒険せず問題なく過ごして、無事に退職金をもらおう……と。これでは各国と生産性に差がついで当然です」
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