2021年12月30日 11:00
美輪明宏が考える、日本人がマスクをきちんとつける理由
(撮影:御堂義乘)
「私自身、この一年間はテレビのレギュラー番組以外のお仕事は、ほとんどお断りさせていただきました。ずっとコロナ禍でしたから、講演のお仕事もキャンセルするなど慎んでおりました」
そう語る美輪明宏さん(86)。コロナ禍“負の一年”を振り返る——。
■マスクは現代版の手拭い。抵抗感がないのは当然のこと
今年一番のニュースは、やはりコロナになりますね。
人類は古代から感染症と闘ってきました。天然痘、ペスト、スペインかぜ……。日本でも平安時代に、疫病がはやったことがありました。
当時、疫病がはやった原因は、学問の神様として知られる菅原道真が、道真を妬む貴族たちによって“宮廷から追い出されたからだ”という噂が広がりました。その後、菅原道真を天神様としてお祭りして、疫病をおさめたという伝説があります。
私は常々「正負の法則」のお話をします。プラスの数と同じぐらいにマイナスもあるーー。今年はまさに、“負”の年だったと思っております。
では、コロナ禍になる前はどうだったか。どうにかこうにか景気はいい状態で、全体的には“正”の部分のほうが多かったのではないでしょうか。もちろん、場所によっては、地震や水害といった自然災害が起きた“負”の部分もありました。