2022年2月10日 11:00
医師に聞く「オミクロン株で懸念“ブレインフォグ”の予防法」
■自殺者も…後遺症で亡くなるリスクも
倦怠感やブレインフォグのような後遺症が出てしまった場合、どのように治療するのか。
「まず体に負担をかけたり、だるくなるようなことはしないこと。無理に体を動かしたり、体がつらいのに我慢しながら仕事をしたりする人がけっこう多い。こういうことをすると、後遺症は悪化します。体がだるくなるようなことは絶対にしない。これを守るだけで、悪化を防げます」(平畑院長)
治療でいちばん効果的だといわれているのが、耳鼻科で50年以上前から行われてきた“上咽頭擦過療法(Bスポット療法)”だ。
「鼻の奥の上咽頭に塩化亜鉛溶液をこすりつけて炎症部分を治す治療法です」(平畑院長)
とくに強い倦怠感やブレインフォグの場合、上咽頭にかなりひどい炎症が起きているそう。その部分をきれいにすると、自律神経が刺激されて、脳への血流を増やすことにつながるという。
もう一つは、米国の医療機関でも行われているステロイドを使用した治療法だ。
「“上咽頭擦過療法”だけでは完治しないケースがあり、その場合、私はステロイド剤(飲み薬や点滴)を使います。炎症を抑え、さらに自己抗体の産生による免疫反応を抑える効果があります」