オミクロンで“軽症死”が急増中…医師は「肺炎より持病の悪化」と指摘
「第5波までは、入院患者はコロナ肺炎だけだったため、重症化すれば人工呼吸器を使い、ステロイド剤、レムデシベルなど治療薬で対処していました。対処法が限定されているため、ある意味、闘いやすかったのです。しかし、オミクロン株の感染者はさまざまな持病が悪化するため、今までのような一辺倒な治療が通用しません。誤嚥性肺炎には抗生物質を使い、心不全の患者には血圧を調整する薬や利尿剤を使用する……など、持病に合わせた治療が求められる。感染症の専門医が腎臓、心臓、糖尿病の分野にまで対応しなければならない状況なのです。『総合医療医』という存在が少ない、日本の縦割り医療の限界も垣間見えます」
では“コロナ軽症”による死亡を防ぐには、どうしたらよいのか?
「死亡者数を減らすためにも、ワクチンの有効性を回復させる、3回目のワクチン接種が重要です。第5波が急速に収束したのは、ほとんどの高齢者への2回目のワクチン接種が終わっていたことが大きい。現在、3回目のワクチンの接種率が思うように上がっていないなか、高齢者施設だけでなく、報道されていない医療施設でのクラスター感染も頻発。
予断を許さない状況が続いているのです。