2022年5月15日 06:00
若者が劇場に殺到!映画の見方変えた“薬師丸版”『セーラー服と機関銃』
「当時はまず歌手デビューし、人気が出た後に主演映画が作られるアイドルが多かったのですが、薬師丸さんは、『角川映画』の3作目となる『野性の証明』(’78年)のオーディションを勝ち抜き、いきなり映画女優としてデビューしました。大スクリーンで映える、その目力の強さが注目されたのかもしれません」
映画出演2作目の『翔んだカップル』(’80年)は、鶴見辰吾との初主演作。この作品で初メガホンを取った相米慎二監督が、赤川次郎氏の原作にほれ込み、自ら企画を持ち込んだのが『セーラー服と機関銃』だといわれている。
「若者を中心に大ヒットしました。それまで“親に連れられて見に行く”ものだった映画が、『セーラー服と機関銃』以降、中学生でも“友達同士で見に行く”ものになり、帰りにマクドナルドなどで感想を語り合う休日を過ごす若者が増えました。若年層が映画館に足を運ぶようになるきっかけとなった作品なのではないでしょうか」
その後も、薬師丸は『探偵物語』(’83年)、『Wの悲劇』(’84年)と主演作が立て続けにヒット。「原田知世さん主演の『時をかける少女』(’83年)、渡辺典子さん主演の『晴れ、ときどき殺人』(’84年)