ベトナム戦争・枯葉剤と同じ猛毒が全国42市町村の山中に!豪雨による流出の可能性も
そう警鐘を鳴らすのは、北九州市立大学の職員で『真相・日本の枯れ葉剤』(五月書房)などの著書もある原田和明さん。
この除草剤は、“2・4・5T系”という種類。ベトナム戦争ではアメリカ軍によって同種の枯れ葉剤が散布され、先天異常を持つ子どもや小児がんの増加など深刻な健康被害が報告されている。
しかし、そもそもなぜそんな毒物が日本全国の山中に埋まっているのだろうか。前出の原田さんは、経緯をこう話す。
「林野庁は’60年代後半から’70年にかけて、国有林の除草のために、全国で2・4・5T系の除草剤を散布していました。アメリカでは’69年に動物を用いた研究で胎児に奇形が見られたほか、発がん性なども指摘されていたのに、日本では散布が続いていたんです」
アメリカからの報告を受け、日本でも’71年4月に2・4・5T系除草剤は使用中止になった。しかし、それによって多くの除草剤が余ってしまうことになったのだ。
■過去には除草剤が流出した例も
「当時の技術では安全に処分することができなかったので、林野庁は’71年9月に山林に埋めて処分するよう営林局に指示しました。その2カ月後の11月に、林野庁は〈除草剤と土やセメントを混ぜてコンクリート塊にして埋設する〉〈水源や民家から離れた場所で、風水害で崩壊する恐れのある場所を避ける〉といった注意事項を文書で通達したのですが、時すでにおそし。