ベトナム戦争・枯葉剤と同じ猛毒が全国42市町村の山中に!豪雨による流出の可能性も
日本で起きたダイオキシンを摂取したことによる健康被害といえば、’68年に起きたカネミ油症事件が有名だ。この事件では、カネミ倉庫が製造する食用油にダイオキシンが混入。油を食べた被害者は皮膚の色素異常、頭痛や手足のしびれなどの神経障害、肝機能障害などさまざまな病気に苦しんだ。
■毒性は何百年たっても分解されない
過去には、令和2年7月豪雨で、熊本県芦北町にある除草剤の埋設地から約1キロ先で土砂崩れが発生した。河川への流出が懸念されるが……。
「埋設されている場所にもよりますが、安定した場所を選んで埋設しているはず。多少の水害では、流出してダムや河川に入り込むことはないでしょう。しかし、誰かが埋設物を持ち出して散布するテロ行為を起こすリスクはあります」(中地さん・以下同)
現在は埋設場所の周辺にはフェンスが張られ、林野庁が年に2回ほど目視点検するなどしているという。
しかし、埋まっているのは人気のない林の中。その気になれば、掘り出すことは可能だろう。
近年の豪雨による災害の多発を受けて、林野庁は埋設から50年の時を経た昨年度、ようやく「自治体の要望があれば、掘り起こして撤去する」と、調査を開始した。