ベトナム戦争・枯葉剤と同じ猛毒が全国42市町村の山中に!豪雨による流出の可能性も
灯油缶に除草剤を入れてそのまま埋めるなど、ずさんな処理を行った営林署もあったのです」(原田さん)
46カ所ある埋設場所のうち、林野庁の通達どおりに埋設されていない場所は20カ所も存在する。
実際に’84年、愛媛大学が地元の宇和島市にある除草剤の埋設現場を発掘調査したところ、腐食して穴が開いた灯油缶が見つかった。缶を包んでいたビニールは漏れ出した除草剤で変質していたという。
懸念されるのは、住民や環境への影響だ。埋設地からわずか約1キロの地点に、市民が水がめとして利用する五ケ山ダムがある福岡県那珂川市の職員は、こう危ぶむ。
「最近は、甚大な豪雨災害が頻発していますから、土砂崩れによってダムに埋設物が流入するという可能性もゼロではありません。林野庁も年に2回、崩れていないかなど現地点検をしてくれていますが、市としては、住民の不安を払拭するために’98年から林野庁に撤去を要望し続けています」
林野庁は、埋設地からダイオキシンが漏れ出す可能性について、どう考えているのか?林野庁の担当者が語る。
「そもそもダイオキシンは水に溶けにくく土にくっつきやすい性質です。
それをさらにセメントで固めているので、通常の雨などで地下水に流れ出すということは考えにくい。