ベトナム戦争・枯葉剤と同じ猛毒が全国42市町村の山中に!豪雨による流出の可能性も
また、林野庁の通達と異なる方法で埋設していても、『問題ないので、そのまま埋設を続けなさい』という専門家の見解が、昭和59年から平成11年に開いた検討委員会で示されています」
さらに、担当者は「豪雨によって山ごと崩れたとしても心配ない」と話し、こう続ける。
「ダイオキシンは土にくっついている状態なので、ダムに流れ込んでも沈殿します。飲料水で使用する際には必ずろ過しますから、そのまま飲んでしまうということは考えにくい」
五ケ山ダムを管理している福岡市水道局によると、「これまでダイオキシンが検出されたことは一度もない」という。
ダイオキシンは水に溶けないというが、心配されるのは流れ込んだ土砂を魚が餌と一緒にとりこむなどして生物濃縮される可能性だ。
「ダイオキシンは毒性が強く、催奇性や発がん性などが報告されています。ただし、ダイオキシンをそのまま摂取しない限り、すぐに大きな健康被害が出る可能性は低いです。しかし、食物連鎖で魚などに濃縮され、それらを人間が食べることでさまざまな健康被害が生じるという可能性はあるでしょう」
こう語るのは、熊本学園大学教授(環境化学専門)で、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の理事でもある中地重晴さん。