2022年6月15日 06:00
松本明子の家じまい体験記 実家の維持にかかった総額は約2千万円!
それに、衣装などの荷物が増えるたびに送っていたので、実家には私の私物のほうが圧倒的に多かったですから」
そして’17年、ついに松本さんは、自分名義になっていた実家の売却を決断。空き家バンクに登録すると、翌年に「定年後、親戚やきょうだいがいる地元に再び住みたい」という夫婦が購入を申し出る。内見後に「ここならすぐに住める」と600万円で即決。7年前のリフォームが功を奏する形となったが、じつはここからが「家じまい」の本番。20トンからの荷物を処分しなくてはならなかったからだ。
「私も両親も節約家で捨てられない性分なので、家の中には荷物がぎっしり。それを1カ月で空っぽにしなければならない。業者さんにまとめて処分してもらう方法もありましたが、私の性格的にはそれは無理。
結局、すべてのものに目を通して、行き先を決めました」
難航したのは父親の蔵書。設計士だった父の書棚には専門書が膨大に収められていたが、引き取り価格は二束三文だった。
「本棚の奥に収められていた父が蒐集した1000冊のエロい本のほうが価値がありました(笑)」
また母親の日記には、「父が浮気しているかも」などとつづられている箇所があり、切ない気持ちにもなったという。