2022年7月3日 06:00
「大量消費」と「ゲレンデマジック」80年代のスキー場はバブルの縮図
’80年代に入り、一部の富裕層の趣味だったスキーが、アメリカ文化であるサーフィンやディスコなどと並び、多くの日本人に浸透するようになっていました。さらにバブルの好景気によってリゾート開発が進められ、各地にスキー場が続々とオープン。そこに映画に影響された若者たちが大挙して訪れたのです。ゲレンデには、原田知世さんが劇中で着ていた白いスキーウエアの女性があふれました」
そんな若者をターゲットに深夜帯のテレビでは、「アルペン」や「ヴィクトリア」といったスキー用品量販店のCMが大量に流された。
「手ぶらで遊びに行けるスキー宅配便のサービスも登場。GALA湯沢スキー場に直結した新幹線駅の誕生(’90年)を伝える、キョンキョン(小泉今日子)のCMも大きな話題となりました。映画がさまざまなサービスや商品の生まれるきっかけにつながったのです」
スキーに行くために、車を持つ若者も多かった。「バレンタインデーやクリスマスには、都内から湯沢インターまで続く大渋滞もあったよう。
劇中で流れたユーミンの『サーフ天国、スキー天国』『恋人がサンタクロース』(ともに’80年)、『BLIZZARD』(’84年)