2022年10月8日 06:00
「寂しいけれど後悔はないんです」坂本冬美明かす母との別れ
「当時は母を一人にして寂しい思いをさせちゃいけないと、毎月、和歌山の母の元に戻っていました。母との時間を大事にしなきゃとするあまり、私自身も心も体も調子を崩して限界を感じていました」
休業中は、和歌山の実家で母と支え合って過ごした。
「あるとき、気丈な母が泣き崩れることがあって。私も母を後ろから抱きしめて、2人で抱き合って泣いたこともありました。母のことを心配しながらも、私の心もここにあらずで、私自身も抜け殻になっていたんです」
そんな娘を見て優子さんは、次第に、「この子は歌をとったら何もない。歌っているときがこの子はいちばん幸せ」と、復帰への背中を押してくれたという。
「『テレビで二葉百合子さんのコンサートやっているから見たほうがいいんじゃない』と……このときの『岸壁の母』が胸に突き刺さって……。母は、『こっちのことは心配しなくていいから』と励ましてくれました」
また、母とつらい時期を過ごしていたときに、親友も助けてくれた。
歌手仲間の藤あや子さん(61)と伍代夏子さん(60)だ。
「あやちゃんも夏ちゃんも私より少しお姉さんで、『私たちがついているから何も心配しなくていいのよ』と声をかけてくれました。