くらし情報『運転期間「上限撤廃」で高まる老朽原発の“放射能漏れ”リスクを専門家が警鐘』

2022年11月4日 06:00

運転期間「上限撤廃」で高まる老朽原発の“放射能漏れ”リスクを専門家が警鐘

そう解説するのは、原子力規制を監視する市民の会代表の阪上武さん。

「ところが、規制する立場である規制委員会の山中委員長は、資源エネルギー庁が60年を超える原発の運転を可能にするよう要求したのに対し『運転期間については、利用政策側である経産省の判断だ』として、原子炉等規制法から、この条文を削除する形で容認してしまった。これは非常に問題です」

原発を推進する側の経済産業省がルールを定めるとなると、安全性よりも電力会社に都合のよいものになりかねない。

現在国内で建設済みの原発は33基。それらのすべてが、’50年までに稼働40年を迎える。

条文が削除されることで、老朽化した原発が日本中で当たり前に稼働するリスクは、いかほどか。

元三菱重工の技術者で、伊方原発3号機の建設機器班長を務めた森重晴雄さんは、こう指摘する。

「第一に挙げられるのは、中性子線が照射することによる原子炉の脆化です。
原子炉は、炭素鋼という200mm厚の鉄板で作られているのですが、炭素鋼は中性子線に弱い。そのため長年、照射され続けることで金属が脆くなるのです」

加えて、ホウ酸水による腐食のリスクもあるという。

「西日本の原発に多い加圧水型という原子炉は、中性子線を吸収しやすいホウ酸水で原子炉を冷やしています。

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