くらし情報『運転期間「上限撤廃」で高まる老朽原発の“放射能漏れ”リスクを専門家が警鐘』

2022年11月4日 06:00

運転期間「上限撤廃」で高まる老朽原発の“放射能漏れ”リスクを専門家が警鐘

しかし「その検査にも限界と問題がある」と指摘するのは、「老朽原発40年廃炉・名古屋訴訟」を闘う弁護士の小島寛司さん。

「原子炉の中に、いくつか試験片を入れておいて、10年ごとくらいにそれを取り出し、圧力をかけるなどして金属の脆性を検査し、安全性を確認しています。しかし、そのデータが圧倒的に少ないのです。すでに40年を超えて運転を続けている美浜原発3号機の場合、稼働後約40年間で得られている破壊靱性試験のデータは、わずか12回分。それも、直近の検査では溶接金属部分のみチェックし、原子炉本体の母材については検査していないなど、極めて不十分なものでした」

本来、データを適切に提出させて審査すべき規制委員会も、それをせずに稼働を許可しているという……。加えて、現存する原発にはそもそも“型が古い”という根本的な問題もある。

「’11年に事故を起こした福島第一原発は、当時、稼働から間もなく40年を迎える老朽原発でした。

そのため型が古く、原子炉を冷却できなくなったときに作動する非常用配電盤の設置場所が、ほかの電源とすべて同じフロアに設置される設計だった。
そのため津波でいっせいに機能を失ってしまったのです」

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