【虐待を食い止める その3】『もう疲れてきた、割と本気で保育士辞めたい』『親ごさん、虐待してませんので、うたがわないで』保育士たちの悲痛な叫び
ツイッターなどのSNSで目にする、現役保育士たちの悲痛な声。長引くコロナ禍で業務が膨大に増えている上に、勃発した不適切保育の問題により、不適切保育を行っていないか自己採点リスト(「保育所・認定こども園における人権擁護のためのセルフチェックリスト」)の記入を義務付けられるなど、心が折れる状況に陥ったというつぶやきも散見される。
「現場の保育士さんは子どもたちの健やかな成長のために使命感を持って働いている人が大多数。今回の件で、偏見の目で見ないでほしいと思います」
豊富な取材実績と現場感覚をもとに話題作を次々と発表。『誰かたすけて~止まらない児童虐待』(リーダーズノート)『ルポ居所不明児童――消えた子どもたち』(中央公論新社)など子供の虐待問題の著作も多い、ジャーナリストの石川結貴氏はこう話す。
「中には誤った行為をしてしまう人もいるということ。ですが、私が取材してきた保育士さんの多くは、懸命に子どものために働いている。家庭での虐待、親によるネグレクト(養育放棄)、そういう子どもたちの状況を必死にフォローしています。
登園時、明らかに昨夜から取り替えてもらえず便や尿でおむつを膨らませ、食事も与えられていないお子さんに親身に寄り添い、休日は『ちゃんとご飯を食べているだろうか』『放置されていないだろうか』と、ご自宅まで様子を見に行く方もいます」