くらし情報『「弟はなぜひとりで死んだのか?」コロナ放置死遺族の真相を探る旅に密着』

2023年1月22日 06:00

「弟はなぜひとりで死んだのか?」コロナ放置死遺族の真相を探る旅に密着

来沖2日目の朝、高田さんの姿は、那覇市の保健所にあった。この旅のもうひとつの目的、〈なぜ弟は放置死したのか〉その理由を聞くためだ。

「現場の方を責めたいんじゃない。ただ本当のことを知りたいだけなんです」

職員と面会を終えた高田さんは「お話が聞けてよかった」と涙ぐみながら、次のように語った。

「弟がコロナに罹患した当時、『逼迫したなかで電話がかけきれず、積み残してしまった。緊急性の高い人が漏れてしまった』。職員の方は、そう涙ながらにお話ししてくださって……」

善彦さんが他界した当時、医療機関で検査を受けてコロナ陽性が判明すると、指定感染症法に基づき医師が保健所に届け出。その後、保健所が患者本人に連絡を取り、健康観察する流れだった。


本来なら、患者本人と丸一日連絡が取れない場合、職員が自宅を訪問して安否確認するはずだったが、当時、沖縄では連日600人超の新規感染者が出ており、保健所は逼迫。陽性判明から3日目に職員が善彦さん宅を訪問したときには、時すでに遅かったという。しかし、善彦さんの死を境に、確実な変化も見られたという。

「弟が他界したあと〈悲劇を繰り返してはならない〉とすぐ体制を変えてくださったそうです。

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