くらし情報『“酪農危機”で赤字85%「牛乳増産しろ」一転「減らせ」の迷走政策で日本の牛乳が消える危険』

2023年4月6日 15:50

“酪農危機”で赤字85%「牛乳増産しろ」一転「減らせ」の迷走政策で日本の牛乳が消える危険

これを契機に、生産者たちの意見も汲み国は酪農家に増産を促したという。

「畜産クラスター事業といって、牛舎を作ってくださいと、設備投資にかかる費用の半分を国が補助してくれました。多くの酪農家が事業を拡大して、ようやく牛が育って増産体制が整ったところで、コロナによって学校給食や外食産業がダメージを受け、牛乳の需要が減ってしまったんです」(酪農関係者)

今度は供給過多となったために、政府は生産量を抑制する方向に舵を切った。牛を1頭食肉用に処分するごとに、国から15万円、生産者団体などから5万円、合計20万円が助成される仕組みになったのだ。

■増産分を政府が買うなどの対策が必要

増やせと言っておきながら、今度は減らせと真逆の対応をとる。行き当たりばったりともいえる政策で残るのは、酪農家の借金と、増産できないのに拡大した牛舎だ。

「本当はもっと牛乳を生産して売り上げを伸ばしたいのです。頑張って事業を拡大した酪農家ほど、厳しい状況に置かれています。
今、減産に舵を切っても、いずれ増産するときがくるはずです。でも、そのとき増産を呼びかけても、もう応じられない酪農家は多いはずです」(浅野さん)

こうした酪農家を振り回す国の政策に怒りを覚えているのは、前出の鈴木さんだ。

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