2023年5月14日 06:00
全国47都道府県制覇の「旅するおむすび屋」同じ釜の飯を握るワークショップ通し人の縁をむすぶ
次に、クラウドファンディング会社・CAMPFIREに転職し、ローカルフード担当として全国を巡ることとなった。
「入社してまもなく出会ったのが、新潟でお米の普及活動をしていた同世代の女性。生産者の思いや地域の魅力を届けたいという気持ちが同じことに気づいて」
彼女は米、香菜さんも熊本時代から懇意にしている海苔漁師がいて、思わずこう口にしていた。
「お米とのりで、まるでおむすびだね……そうだ、これだ!」
誰にも身近で、日本のソウルフードともいわれるおむすびを通じて、いろんな土地の食文化にふれ、発信することを生業にできないだろうか。幸い、勤務先は副業もオッケーの会社だった。
そう思うや、半年後には最初のワークショップを開催し、続いて本業のかたわらクラファンで約1千万円の開業資金を集めて、’17年5月、「旅するおむすび屋」を立ち上げた。
「学校の食育の授業に参加させていただいたり、その土地の食材を使うおむすびのワークショップを開催したり。次第にSNS等を通じ声がかかることが増えていき、本業と副業が入れ替わるかたちでおよそ2年後に独立しました。
個人事業主でしたから、正直、それほど気負いもなかったです」