2023年5月28日 06:00
暗闇に負けない!希望の調べ 全盲のバイオリニスト・穴澤雄介さん
近年では’20年東京、’22年北京のオリンピック・パラリンピックでNHKユニバーサル放送(視聴覚に障害のある人などが視聴しやすいよう、手話や字幕、音声解説などを充実させたコンテンツ)のコメンテーターも務めた多芸ぶり。
穴澤さん本人は、こう語る。
「ハンディキャップがあるからと大目に見てもらっているようでは、ダメだと思っていました。
私はイチ社会人として、プロの音楽家として食べていくことを、つねに望んできたんです」
多彩な楽曲と爆笑トークの底に、強い信念と自負心がうかがえる。
■先天性の障害が心臓と目に。小学校高学年で「一般的な仕事」は諦め、バイオリンを猛練習
ファンから「アナザー(穴澤)・ワールド」と称される独自世界を築いた穴澤さんは’75年3月29日、千葉県市川市に生まれた。
父は、医療機器会社に勤務する会社員で、母は専業主婦だった。
「私は先天性の障害が心臓と目にありました。
生まれたときに紫色の顔をしていたそうで、即入院。2歳までほとんど病院で過ごしていて、入院や通院を繰り返していたのを覚えています」
幼少時期から運動を制限され、眼鏡をかけていた穴澤さんがバイオリンに触れたのは5歳のこと。