くらし情報『元ちとせ 反戦歌『死んだ女の子』原爆ドーム前での共演でふれた坂本龍一さんのやさしさ』

元ちとせ 反戦歌『死んだ女の子』原爆ドーム前での共演でふれた坂本龍一さんのやさしさ

裸足で歌い上げるパフォーマンスは大きな感動を巻き起こした。

このあと、09年に長男が生まれた元さんは、生まれ故郷の奄美大島に帰る。

その後も、子育てをしながらの歌手業が続く。’11年3月の東日本大震災と福島第一原発の事故を経て、翌年夏の「NO NUKES 2012」には、女性のソロアーティストとしてはただ一人参加して、『死んだ女の子』を歌った。

「これも、坂本さんからお声をかけていただきました。『死んだ女の子』をレコーディングしたときも思いましたが、あからさまに戦争反対とかではなく音楽でしか生まれないもの、熱いものを、お互いに同じ温度感で作品に詰め込むことができた。つくづく坂本さんの音楽というのは、人そのものなんですね。彼のやさしさ、愛情、思いやりが、その根底にある」

そのやさしさに直接ふれた出来事があったと、元さんは語る。
あの、原爆ドーム前での共演が『NEWS23』で放送された8月の夜のことだった。

「私も慣れていない生放送で緊張していたんだと思います。歌の前のインタビューのときにガチガチに固まっていたら、横に並んでいた坂本さんが、いきなりギュッと手を握ったんです。

びっくりしたんですが、その瞬間、もういいやと、履いていたヒールを脱いで裸足になりました。

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