くらし情報『初代は破門、三代目の反骨心が生んだ「スーパー歌舞伎」…猿之助4代150年の明と暗』

初代は破門、三代目の反骨心が生んだ「スーパー歌舞伎」…猿之助4代150年の明と暗

これが團十郎の逆鱗にふれ、破門されてしまったのです」(犬丸さん)

旅興行などで辛酸をなめ続け、ようやく宗家の許しを得て破門を解かれたのは16年後。

その後、初代は明治・大正の劇界で長老として重きを成すようになり、1910年に二代目市川段四郎を襲名した。

「『段四郎』の初代は、もとは『段十郎』と書いた團十郎の高弟です。今でも上演される新歌舞伎の名作に坪内逍遥作の『桐一葉』があります。シェイクスピアの翻訳も手掛けた坪内は難解な言葉を使う作家で、初演に加わった初代猿之助は最初、脚本が読めず苦労しました。そこで『これからは役者にも学が必要だ』と、長男・政泰(初代市川團子)を、いまの高等学校にあたる旧制中学校に入学させたのです。当時の歌舞伎界にあっては異例中の異例で、團子は“学校に通った最初の役者”といわれています」(犬丸さん)

家格や門閥という因習にあらがうため、前例のないことにも果敢に挑む、それが澤瀉屋の精神だった。そして、この初代團子が二代目として猿之助の名を受け継いだ。


「二代目猿之助という人は、歌舞伎に新風を吹き込んだ、その元祖といえる人でした」

こう語るのは、エッセイストの関容子さん。

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