増税否定から防衛増税を実行した“前科”…岸田首相目論むサラリーマン増税で「年収600万円世帯で37万円の負担増の懸念」
支持率が低下している岸田首相(写真:時事通信)
「“サラリーマン増税”うんぬんといった報道があるが、全く自分は考えていない」
7月25日、首相官邸で自民党の宮沢洋一税制調査会長と面会した岸田文雄首相はこう語ったという。
6月30日、政府税制調査会(以下、政府税調)が岸田首相に提出した「わが国税制の現状と課題」と題した中間答申に、ざまざまな増税項目が記された。特にサラリーマンを対象としたものが多く、岸田首相が「サラリーマン増税」を目論んでいると報じられている。
本人は増税を否定したというが、それを額面通りに受け取る者はいないだろう。2021年、総裁選候補者による討論会で「すぐに増税で財政を埋めることは考えていない」と語っていた岸田首相。だが、その後、あっさりと防衛費増額のための増税を決定し、発言を覆した。こうした“前科”からも、多くの人が“サラリーマン増税”を警戒するのは当然のことだ。
■サラリーマンの税金は “魔法の杖”
今回、増税を“提案”している政府税調とは何だろうか?税と社会保障に詳しい、関東学院大学経済学部の島澤諭教授が解説する。
「税制調査会には、政府税制調査会と各党の税制調査会があります。