日本人唯一のマルタ騎士・武田秀太郎さん IQ160の天才が抱えてきた“生きづらさ”
「核融合により“地球上に太陽を作って”、世界中のすべてのエネルギー問題を解決しようという会社です」
続いて’20年には国連職員としてウィーンの国際原子力機関(IAEA)で働かないかとの声がかかった。
さらに同じ年には武田さんが編訳を務めた『騎士道』(中央公論新社)が出版された。彼が騎士という存在に興味を持ったのは大学院時代だという。
「さまざまな国際的な活動に関わっていくなかで、緒方貞子さんら先達のみなさんは、その支えになる哲学を持っていらっしゃると感じました。それは何だろうと考えたとき、幼いころから接してきた“弱きを助ける”というキリスト教的な精神をはじめ、自己研鑽や誇りある生活ぶりなどに強く惹かれている自分に気づいたのです。ちょうどハーバード大学の図書館にも入り浸っていたころで、多くの騎士に関する書籍と出合い、原書から日本のマンガまでほぼすべて読み尽くしました。
騎士道って……素敵なんですよね。ストイックで、人のために役立つことをする。
その価値観がしっくりきて、さらに調べていたら、この現代にいまだ騎士団が存在していることを知ったのです。活動はやはりヨーロッパがメインなのかと考えていたところ、そのタイミングでなんとウィーンへ行くことに。