【追悼’23】坂本龍一さんが語っていた「政治の暴走」「憲法改正」「子どもたちの将来」
『女性自身』2017年12月5日号のインタビューでも、東日本大震災やがん闘病によって起きた心境の変化について以下のように語っている。
「僕は、以前から環境問題に強い関心があったから、ほかの人より自然のことがわかっているという自負が多少あったんです。でも、3.11の巨大な地震と津波が起こったことで、自然の力がこれほど大きいことを知らなかった、と強いショックを受けました。人間の文明は自然の力の前に、こんなもろく崩れ去るんだと」
東日本大震災から3年後の2014年に中咽頭がんを患った。
「人間の体という“自然”の中に起こった“がん”という一種の災害のようなものでしょう。それでまたショックを受けたんです」
健康に自信があった分だけ、ショックは大きかったという。
「僕は、40代ごろから食や健康には十分、気を使ってきたつもりだったんです。整体や足湯なども、みんなが言いだすはるか前からやっていたので、『そんなことは、もう昔からやっている』という自負もあった。
それでも、がんになってしまうんだ、と。だからちょっとした自信や知識なんてなんの役にも立たない。病気になるときにはなるんだ、自然のことも体のことも、自分はわかっていなかったんだ、と気づいてね。