「今年ほどクマ被害が多い年は無い…」専門家警鐘の“異常出没”東京でも油断できない現状
また眠れないクマが登山道やスキー場に現れることも。過去70年の被害情報を調べてみても、雪山の登山中に遭遇したり、スキーをしているときにクマと襲われたケースが2例あります。今年は十分注意が必要です」
気になるのは「穴持たず」と呼ばれる、冬眠しないクマの存在だ。マタギの世界では、肉食化して冬眠せずにさまようクマを「穴持たず」と呼ぶという。これらのクマは空腹のため気が立っており、人を襲うと伝えられているが……。
「私の調査では、一冬を通して一度も冬眠しないクマは北海道、本州ともに非常に稀です。しかし、冬眠中のクマがずっと外に出ないという訳ではありません。雪にクマの足跡が残っていることは当たり前のようにあります。
とくに冬眠中でも雄グマや出産していない雌グマは要注意。林業関係者が真冬にクマに襲われたケースは少なくありません」
それでは、クマに出遭った場合はどんな注意が必要なのだろうか?
「クマの加害原因を調べてみると、
A食害(人を食べる目的)
B排除(人を排除しようとして襲う)
C戯れ、苛立ち
があげられます。
このなかで、Aは、空腹や動物性たんぱく質の不足から襲いますが、初夏の繁殖期が多い。