【n番部屋事件】「お兄さん」の要求は次第にエスカレートして…信頼を悪用するグルーミングの手口
このグルーミングの過程で、被害者は虐待を受けていることを認識できないばかりか、加害者を愛していると感じることさえある。自分がどんな被害を受けたのかも分からず、被害者の動画は本人も知らないうちにネット上に掲載されたり取引されたりする。性搾取犯罪の大半はグルーミングから始まるので、児童・青少年が性搾取に遭う前に、加害者の誘引行為などの「接近」自体を処罰すべきだ。バーチャル空間でのグルーミング処罰が法制化されれば、性的な出会いや性犯罪の実行に関係なく、性的目的で接近する行為自体を処罰できるようになるはずだ。
海外では、イギリスやオーストラリアなど63カ国がすでに「オンライングルーミング」処罰法を施行している(2017年時点)。欧州評議会は2007年、ランサローテ条約(子どもの性的搾取及び性的虐待からの保護に関する条約)を締結し、「情報通信技術を用いて児童に対し性的な提案をすることは、直接の出会いにつながらないとしても、犯罪に該当しうる」とし、「加害者がオンライン上にのみ留まっている場合でも、児童に深刻な被害を引き起こす」と宣言した。
■チャットアプリ内で青少年を守るためには
現在、韓国で青少年と成人が接触可能なランダムチャット・アプリは200個以上ある。