鳥羽一郎の衣装は7,500円。6年連続総合司会が語る「紅白」90年代ベスト場面3
真顔で『宮本ちゃん、“バイアグラ”と言ったらどうしよう』と、聞いてくるんですよ」
1986年の第37回で、白組司会の加山雄三が、初出場の少年隊の『仮面舞踏会』を、うっかり「仮面ライダー」と紹介してしまったことがある。それが勘九郎さんの脳裏にあったのかもしれない。
「実は、加山さんに罪はないんです。スタッフが本番前の加山さんの緊張を和らげようとして『加山さん、いいですか“仮面ライダー”と言ってはいけませんよ』というふうに、インプットしてしまったのです。それが頭に入っていたものだから、加山さんは“仮面ライダー”と言ってしまったわけです。
勘九郎さんに『“バイ”でひと呼吸おいてみましょう』と。勘九郎さんは、リハーサルではそのとおりにしましたが、さすがですね、本番では、絶妙の間で、『バーーーーイ、ラモス』と間違えずにおっしゃっていました。舞台袖に帰ってから、勘九郎さんからハグしてくれたことを覚えています。
あの勘九郎さんでさえ、かなりのプレッシャーがかかっていたのでしょうね」
その後、勘九郎さんから送られた直筆のお礼の手紙は、今でも宮本さんの家宝になっている。
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