渋谷はスタバ18軒あるのに大混雑…休日のカフェ難民続出の陰に再開発がもたらした弊害
この開発では、駅からパルコに行くまでの街全体をディズニーランドのように西洋風に演出して、楽しく歩ける街を作ろうとした。それによって、渋谷は町をブラブラして、路上にいることが楽しいと感じる空間になっていました」
90年代には「ジベタリアン」という言葉が流行するなど、路上にたむろする若者が問題視される時期もあったが、数々の事件によって“都市への滞留”を淘汰する流れに社会は向かっていく。
「95年のオウム真理教事件のころから、どんどん町が浄化されていく流れが生まれてきました。それに拍車をかけたのが、2001年に大阪で起こった池田小事件でしょう。治安維持の観点から、街中に監視カメラなどが増えてくるようになります。行政側からすれば当然の政策ではありますが、街に人々がたむろする場所を無くすとともに、トイレなども減っていきました。こうした流れの中で、街中でうろうろしたり、滞留するという行為そのものが難しくなってきました」
こうした再開発の流れによって、街に滞留するにも“コスト”がかかるように。その帰結として、各都市で見られるカフェの大混雑があると、谷頭氏はいう。
「いわゆる『街の高級化』ともいわれる再開発手法を『ジェントリフィケーショ』とも呼びます。