「覚醒剤で6回服役」の反社会的勢力の元幹部にも寄り添う 北新地放火殺人事件遺族・伸子さん
「兄の事件の加害者が、再犯だったことを知って、加害者の話も聞いてみたいと思ったのが最初です」
ワンネスで最初に話を聞いたのは、覚醒剤で6回服役した反社会的勢力の元幹部だった。
「その方の生い立ちを聞いてみると、むちゃくちゃなことをずっとやってきて、家族には迷惑をかけっぱなし。薬物で体を壊して、いつまで生きられるかわからない。でも最後は少しでも社会に貢献して死にたい、まっとうに生きたいっておっしゃって」
子ども食堂をやりたい、農業もしたい、“グリ下(グリコ下)”に集まる少年少女に声をかける活動をしたいと、元幹部は夢を語った。
「私、感動して泣いてしまったんです。人はこんなにも変われるんだと思ったら、涙が止まらなくて」
更生といっても、もちろん一筋縄ではいかない。それでもその彼とともに前を向いて歩んでいきたいと、伸子さんは考えている。
「人って、つらいときでも希望がないと生きにくいと思うんです。
ですから『更生プログラムを一からやり直して、また自由に外出できるようになったら、青少年への声がけ、私も一緒にさせてもらいますよ』と、伝えてきました」
今年3月、伸子さんは気軽に立ち寄れるサロン「よすがのところ」