「覚醒剤で6回服役」の反社会的勢力の元幹部にも寄り添う 北新地放火殺人事件遺族・伸子さん
を新たに開設した。
「『よすが』とは、心のよりどころという意味。モノリナを聴いてもらって、お話を聞かせていただいて、心の整理をしてもらおうと思って始めました」
モノリナとは音響療法などに使われるドイツの楽器で、雅楽器にも似た低く響く不思議な音がする。
悩みを抱えた人たちが伸子さんとの対話を求めてやってくる。
取材にきた新聞やテレビ局の記者たちが、最後に自分の悩みを相談していくことも多いそうだ。
本誌記者も、気がつけば「仕事が立て込むと、視野が狭くなってしまう」と、愚痴をこぼしていた。
「余裕がなくなるとダメですよね。一日のうち5分でも、たとえばお風呂で湯船につかっている間だけでも何も考えない。
無になるっていう時間を作るといいですよ」
なるほど。聞いてもらっただけでも、心が軽くなるから不思議だ。
相談で多いのが、やはり人間関係。職場や周りに嫌な人がいるという問題はどこにでもある。
伸子さんの答えはこうだ。
「あなたの人生の主人公は、あなた自身。嫌な人は、ただの脇役にすぎません。あなた自身の物語でも、何もないと面白くないから、脇役さんが出てきて、刺激を与えてくれているんです。