松坂大輔「絶望」に泣く「染みついたフォームを戻せない……」
その痛みが昨年まで続き、騙し騙し投げていたんです」
――酷評されているフォームは、そのためですか?
「そうなんです。痛みが最小限ですむ投げ方を追求したら、このフォームになってしまった。だから、好きでやっている投げ方ではないんです」
――上下動が激しいから、コントロールが定まらない。たとえば、上原浩治投手のような、動きが少ないフォームを試してみては?
「それは考えましたし、実際、試してもみたんです。でも、理屈ではわかっているんだけどできなかった。染みついたものはなかなか戻せないんです」
――西武時代のフォームに戻しては?
「そうですね。先ほども言ったけど、染みついたものがあるから、戻すに戻せないんです。もどかしいですよ」
全盛期の自分に戻れないことは、自分がいちばんわかっている。
もはや悔しさを通り越し、諦めの境地に達しているのではないか。松坂とは20年近いつき合いになるが、今年ダメなら引退――。そう、覚悟すらしているように思えてならない。
写真&文・ジジ
(週刊FLASH 2017年3月21日号)