軍事費の4分の1を提供「米国」はなぜイスラエルに肩入れするのか
アメリカのイスラエルに対する対外軍事融資FMF(Foreign Military Financing)は、メルカヴァ戦車などイスラエル国産の兵器を製造する資金ともなっている。アメリカのFMFによるイスラエルへの資金援助は、イスラエルの軍事費全体の4分の1を構成するようになった。
親イスラエルのトランプ政権はこの傾向に拍車をかけ、アメリカとイスラエルの軍事協力はいっそう進むに違いない。
しかし、軍事費の突出は、教育や福祉を圧迫する。この構造は、世界一の軍事大国のアメリカ(世界の軍事費の4割近くがアメリカ)では極めて顕著に表れ、2015年の財政年度の54%が国防費で占められる一方で、教育や医療・福祉は12%にすぎない。
■アメリカがイスラエルに肩入れするわけ
それにしても、なぜアメリカはここまでイスラエルに肩入れするのか。実は、アメリカの中東外交において、イスラエル・ロビー(アメリカの中東政策の中でイスラエルの利益を優先させることを考える圧力団体)の影響力には絶大なものがある。
アメリカ国内でイスラエル・ロビーの活動を批判すれば、政治家たちは社会的地位を脅かされたり、選挙での当選が難しくなったりする。