ガス自由化スタート…「セット割」の活用で高い割引率実現も
「しかし自由化後は、ガス管の管理運営は都市ガス会社の導管部門が引き続き行いますが、ガス販売について新たな会社が参画できるようになります」(巻口さん・以下同)
3月末日現在、家庭用ガスの供給に参入表明している会社が、全国でも13社と少ないのは、販売するためのハードルが高いためだという。1つは、輸入した原料のLNGを陸揚げした後に貯蔵するための設備が必要なこと。当面は、既存の大手都市ガス会社の設備を借りて、急場をしのぐ会社もあるという。
「東京電力や関西電力などの大手電力会社が参入しますが、それらの会社がなぜガスを販売できるのかというと、火力発電をするためのLNGを輸入しているからです。その輸入量は大手ガス会社をも上回るといわれており、それを都市ガスに転用するのです。特に関西電力は自前の燃料調整設備も持っているため、ガスの販売に積極的に取り組んでいます。いっぽう東京電力は燃料調整設備の建設を検討中で、完成するまでは東京ガスの施設を借りるそうです」
ハードルのもう1つは、緊急時にかけつける保安員を確保しなければならないこと。