“最古の作物”は朝食、つまみにも…世界の「そら豆料理」
「特筆すべきはビタミンB1、ビタミンB2が多量に含まれていることです。そら豆はエネルギー源となるタンパク質、糖質が豊富ですが、同時に炭水化物のエネルギー代謝に必要なビタミンB1、脂質やタンパク質をエネルギーに変えるビタミンB2のほか、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸も多く含まれるため、疲労回復効果がとても高いんです」
そう語るのは、女子栄養大学栄養クリニックの管理栄養士、森さやかさん。ほかにも、そら豆には美肌、美髪、生活習慣病、貧血予防、便秘解消の効果があるという。
「そら豆は太古の昔から、体力をつけたり、気力を充実させるのに適した野菜といわれていて、人類最古の作物という言い伝えもあります。野菜のなかでは水分が少なく、各栄養素を豊富に含んでいて、バランスがよい野菜といえますね」(森さん)
原産は、北アフリカから西アジアと考えられ、新石器時代に栽培化された。エジプトでは4,000年前から栽培され、儀式に使われたという記録もある。エジプトのピラミッドや、トロイア遺跡からも化石化したそら豆が発見されている。そら豆は世界各国で郷土料理の食材として愛され続けているのだ。