五大路子が宗教学者・山折哲雄と考える「ひとり」の大切さ
『ついに私は、私のなかの宇宙のかけらにたどり着いた』、そんな不思議な感覚でした」
山折「なるほど、新しい五大路子の始まりかもしれないね」
五大「以前、先生から“心眼”という言葉も教えていただきました。今年やっと、その入口にたどり着いたような気がしますこれも先生のおかげです」
山折「……」
五大「先生はいま、この国にすごく大切なことを発信してくださっている。だからいま先生の言葉を聞かなければと思うんです。先生がおっしゃる『ひとり』ということについても深く考えなければならないときがきていると……」
山折さんが昨年出版した『「ひとり」の哲学』(新潮選書)は、多くの人々の共感を呼び、版を重ねている。
山折「いま高齢化社会といわれているでしょう?多くの高齢者が、やがて“ひとり”で生きていくことになる。彼らは“独居老人”と呼ばれたり、亡くなると“孤独死した”と言われたりするわけだけど、それに違和感を覚えた。