先に逝った人のぶんまで…「没イチの会」を知っていますか?
「離婚と死別が同じようにされている割には、“バツイチ”は明るく言えるのに、“没イチ”はかわいそうな人のイメージ。たとえば、夫と死別した配偶者が、奇麗にお化粧をして明るい表情で出かけたとします。それを近所の人が見たら、“あの人、旦那さんが死んだばかりなのにね〜”となるんです。つまり死別の場合は、周りから悲しい姿を強要されるんですね。それも夫婦仲がよいという評判が高ければ高いほど強要される。世間にはまだそういう風潮が根強く残っているんです」
“没イチ”という言葉がこれからどんどん世間に浸透していくことで、多くの人が“バツイチ”のように明るく普通に使える社会になるーー。小谷さんは、そうなれば偏見がなくなると考えている。
「だから『没イチの会』は、悲しい人は入会できません。
死別を思い出して泣いたりする人もダメ(笑)。年齢やどのような死別のされ方をしたかはそれぞれ違いますが、みんな死別を経験しているという共通意識がある。だから普通は聞けないようなことでも、明るくざっくばらんに話せる。